〇佐藤先生「ひろくん、大丈夫そうだから任せるわ」
佐藤先生は、維持期と外来を担当されており、午前中は外来患者のリハビリ、午後から維持期病棟の患者のリハビリを見学する流れでした。
佐藤先生自身、出産などのイベントで休暇をしばらく取られていたため、学生を担当するのは久しぶりだったそうです。仕事に慣れてきたタイミングで学生担当を打診されたとのこと。
佐藤「私も久しぶりの学生やけん、緊張する。よろしくね(笑)」
そんな一言をもらい、緊張していた私もすこし気持ち的に楽になったと思います。
実習初日から3日間ぐらいは、見学メインで患者さんやスタッフの人たちに顔と名前を覚えてもらうような感じで進んでいました。すると、4日目あたりだったと思います。
佐藤「Bさんのさー運動量増やしたいの。ひろくんさー、私が外来で患者さん診てる午前中のうちに歩行練習してきてくれない?」
Bさんは、廃用症候群(寝たきりによる体力低下)で入院されており、運動量を徐々に上げる必要がありました。佐藤先生は、午前中外来がありますので基本、午前中に病棟の患者さんを診ることができません。そのため、時間があるときに動かしてほしいとのことでした。
ひろ「え?いいんですか?」
評価実習では、患者さんに必要な評価を取捨選択しながら行い、複数の評価からどんなことが考えられるのか様々な視点で考え、問題点と治療アプローチを考えていきます。つまり、治療する前の段階までを学習する段階です。しかし、佐藤先生が言ったことは患者さんのところに一人で行き、歩かせるてきてくれとのことなので、治療に当たります。
佐藤「ひろくんなら、大丈夫(笑)、危なかったらその辺のリハスタッフに助けを呼んでね(笑)」
信頼してくれてるのはわかりましたが、ビビりますよね(笑)現在の実習制度は当時と大きく変わっているのでまずありえないです。当時の私のマインド的には、緊張が勝ってたと思います。しかし、今となって思えばこの機会(チャンス)が、私を成長させてくれたと思います。
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